読み物コンテンツ

2018.09.18

新商品: 藍を育て、染める。藍の糸レポート vol.2

夏だけしか染められない藍染の糸

みなさん、8月初旬の予告からお待たせしました。やっと新しい藍の糸が染め上がりました。

こちらの第2弾では夏にしか染めることができない、藍の生の葉を使った藍の糸をお届けします。

この時期だけ、乾燥も発酵もしていない藍の生葉を使って糸を染めることができます。今回はアヴリルが用意した糸の量が手染めするにはとても多かったので、藍の生葉と乾燥葉を使って染め上げました。

発売は9月20日水曜日。ランチタイムの12時ごろ、ご覧いただけるようになります。

藍の色

今回は「透明感のある爽やかな青」と「深い海のような青」がテーマでした。

「透明感のある爽やかな青」は当初の予定よりも少し濃いめに仕上げることになりました。藍の糸で作った作品を使っていると、使い方によっては色が薄くなっていきます。染め上がりが思い通りだったり、綺麗な発色だったりすることはとても大切なのですが、みなさんの創作品が使いこなされていく中でいい色になるように、濃度を上げることにしました。

ラミー

「深い海のような青」は、20回以上染めと酸化を繰り返して、深い深い色を出してもらいました。発酵した藍で染める方が短時間で深い、どっしりとした青を出すことができるのですが、生葉を使うことで、すっきりとした濃さのある青に仕上がります。

糸はアヴリルのカード綿の藍染とラミー(苧麻)の藍染です。

カード綿は、前回の深縹(こきはなだ)よりも深く濃く、紺鼠(こんねず)よりも少しだけ濃く仕上げました。

今回初めて染めたラミーは、繊維自体に絹のような光沢のある素材です。その光沢が藍の青さをすっきりと上品に見せてくれます。

綿の糸とラミーの糸、素材も糸の太さの違いもありますが、どちも生の葉のフレッシュ感を取り込んだ青さが出ています。どちらも細番手の糸なので、織り物向けなのですが、編み物で使いたい方はぜひ数本どりにしてみてください。

藍のジュース

今回も京都大原で天然染めの工房を営んでいらっしゃるカズコさんとスタッフのノリさんに、染めのお世話をいただきました。

カズコさんの工房の生葉染めは、藍の葉をミキサーにかけ、粉砕した葉から藍のジュース絞りとって染め液にします。工房全体が、いわゆる青汁の渋い香りに包まれています。今回の藍染の糸は、生葉を使っていることもあり少し渋みのある草の香りがします。そうした天然の香りも楽しんでいただけたらなぁと思います。

ちょうど工房にお邪魔した際、カズコさんのお孫さんやちびっこたちが藍のジュース作りを手伝っていました。ノリさんが手際良くミキシングした藍の生葉から染め液となる藍のジュースを絞りとるのですが、ちびっこたちが「うんしょ、うんしょ」と言いながら、大人たちに混じって藍のジュースづくりをしています。

遊びの延長、でもとても一生懸命。小さな力だからこそ、「一滴も逃さないぞ!」そんな迫力で最後の一滴まで藍のジュースを絞り出そうとそれはもう必死なんです。

そんなちびっこたちの姿に、日本の生活の原風景はこんなだったんだろうと想起させられます。昔、藍は今以上に人に身近な存在で、身に纏う衣服を通して我が身を守るため、また室内のしつらえのため、家財を守るため、私たちは藍と共存していたそうです。もちろん、地域性の違いはありますが。

化学的な実証はされていませんがカズコさんのお話では、藍は身近なところでは虫除けや食あたり、生そのものを守ってくれるものとして、藍は生活の一部にあったものだったようです。子供も大人も一緒になって、私たちの生を守る植物を育んで、その恩恵を一滴残さずいただく、そんな風景があったのかなと感じます。

 

藍ジュースを絞りとった後の藍葉は、また来年の藍を育てるための肥料になります。

少しだけおすそ分けしていただいたので、藍のお茶を作ってみることにしました。やっと乾燥できたので、アヴリルのお茶の時間にみんなでテイスティングをしたいと思っています。また別の機会に藍茶のご報告ができたらと思っています。

藍の手
ジュース作り_02
ジュース作り_03
ジュース作り_04

藍を育てて

工房の藍染は、藍を育てるところから始まります。藍の葉は春のはじめに植え始め、夏の7月、8月に葉を収穫します。

まだ梅雨の明けきらない頃工房をお邪魔すると、ノリさんが藍のお世話をしていました。自然のミネラルそのものとも言える肥料を、藍畑に混ぜ込みながら、藍の天敵のゾウムシと格闘しています。雑草も注意深く取り除いていきます。工房の藍は、いわゆるオーガニック。肥料は自然からのものを使って、害虫駆除剤も使いません。

「今の時期の藍はミネラルが大好きなの。」と一葉でも大きく育つよう、ノリさんは一苗一苗を丁寧にお世話してくださいます。

8月の末、やっと糸の受け取りです。

「今年の生葉染めはもうこれで最後。今年もよぉーけ染めたわ!」大変そうに話すカズコさんですが、誇らしげに愛おしげに糸を撫でてくれました。

ちょうど最後の生葉染め体験で絹糸を見ました。

「来年の生葉染め、絹糸で行こうかなぁ」

皆さんからのご要望があれば、ぜひトライしてみたいと思っています!

藍畑

紹介した商品